"Mazlyn Jones and Guy Evans with Nik Turner and Friends Live" NJM |
(1997 Blueprint BP250CD)
1. Someone at the door
2. 20th Century
3. Spirit Moves
4. Well Beyond This Point
5. Behind The Stones
6. The Windsmith
7. Unseen Friends ~ Frst Light
8. Ship To Shore ~ How High The Moon
9. Parachute Landings,
including "First Light", "The Sea of Glass", "It's Your World"
タイトルが示すように、NJMがガイ・エヴァンすやニック・ターナー(それからその他のミュージシャンたち)と行ったライブの記録である。厳密には、3つのコンサートからの楽曲を集めてあるのだ。
まず、最初の3曲は、「Forest Fayre」というフェスティヴァルのようなものから収録されている。NJM、ガイ、ニックの3人にサポートの3人という編成。続く中盤の5曲は「Keele University」でのNJMのコンサートから。これはNJMとガイの二人だけによる演奏。そして最後の1曲が「Whirlygig」というロンドンで行われたイベントでのライブから。NJM、ガイとサポート二人という編成だ。
サポートのメンバーは以下のような楽器を担当している。
Angus Lamond:Recorders, Whistles, wind based instruments
Joe Shiels :Violin
Dave Starky :Didgerido
Dan Miles :Didgerido
このアルバムは、NJMの通常のスタイルであるアコースティックではなく、エレクトリック・スタイルでの演奏が主体だ。NJMの弾くギターは、時にグリッサンド・ギターであったり、スペイシーなエレクトリック・ギターであったりと、変幻自在。ギター・シンセサイザーを使わずに、よくぞここまでの音のバリエーションを出せるものだと驚かされるほどだ。また、ガイもキット・ドラムを多用しながら、エレクトロニック・パーカッションや壷のようなアコースティック・パーカッション、自作の打楽器などを使いながらの演奏のようだ。ニック・ターナーはフルート、サックスを演奏している。
音楽は、エレクトリックであるパートが多いことや、いわゆるドラムスが割と多めに出てくることもあって、ロック的な響きを持っていると言えるだろう。しかもそれはゴングやスティーヴ・ヒレッジの持っているスペイシーな響きと共通する(たとえグリッサンド・ギターを弾いていなくても)ところも多く、なおかつフォーク音楽の持っている素朴な響きもあり、70年代前半のピンク・フロイドやタンジェリン・ドリーム的な広がりをも見せてくれる。フォークはちょっと苦手だという人も、このアルバムは大丈夫だろう。これはちょっとした掘り出し物だと私は思う。
by BLOG Master 宮崎