"THE MACHINE THAT CRIED" String Driven Thing |
1. Heartfeeder
2. To See You
3. Night Club
4. Sold Down The River
5. Two Timin' Rama
6. Travelling
7. People On The Street
8. The House
9. The Machine That Cried
a) The Sowee
b) Search in Time
c) Going Down
Chris Adams :Guitar, Vocals
Pauline Adams :Vocals, Percussion
Billy Fairley :Drums, Percussion
Graham Smith :Violin, Viola
Colin Wilson :Bass
guests
Bill Hatje :Bass
Clare Sealey :Cello
カリスマからの2枚目は、前作から大きく飛躍を遂げたように思える。前作でのワイルドさを前面に押し出したような楽曲ばかりではなく、よりシリアスでメロディアス、かつリリカルな楽曲が重要なポジションを占めているのだ。もちろん、前作の延長線上のアメリカン・ロック的な楽曲やトラッド調の楽曲もあるのだが、それらすらもよりイギリス的な奥深さを見せている。また、ポーリーンの歌の比重も高くなっており、全体としてコンセプチュアルな仕上がりになっている。このアルバムにおけるグラハム・スミスの役割は非常に大きいのではないだろうか。うちジャケットではクリスとグラハムの二人が大きく、他のメンバーが後方で小さめに写った写真が用いられており、このアルバムでの主導権がこの二人によって取られていたことを窺わせるものとなっている。
前作との大きな違いのひとつに、前作では味付け程度しか入っていなかったパーカッションがこのアルバムでは正式なドラマーを迎え入れて、いわゆるロックバンド編成になっていることだろう。この編成でこのアルバムの後にツアーを行い、また通算4枚目のアルバムとして見込まれていた「It's A Game」のデモを録音しているが、やる気を失ったクリス・アダムスがバンドを解散してしまった。これが第2期ストリング・ドリヴン・シングの最期である。そういうものだ。
このアルバムは聴けば聴くほど耳に残っていく。海外のレビューなどを見ると、フォーク、ロックにプログレッシブ・テイストが云々という紹介文が多く見受けられる。それがグラハム・スミスに負う部分が多いのか、それともクリス・アダムスに負う部分なのかはよく分からない。しかし、バイオリンがその特徴的な部分を多く受け持っているのは間違いない。バイオリン・ロックが好きな方には一度お試しになって欲しい。どちらかといえば60年代的なアメリカ西海岸のロックにベースをおきながらもイギリス的な響きと、クラシック由来の高貴さとが奇妙に入り混じった音楽性に病みつきになるかもしれない。
このアルバムもまた、ozitレーベルからの再発CDではボーナス・トラックが加えられている。残念ながら私が持っているのはレパトワー盤(写真左)なので以下の楽曲については未聴である。
Bonus Track
11. If Only The Good (Archive Track)
12. It's a Game (Single Alternative Version)
13. Part of the City (Archive Track)
by BLOG Master 宮崎