PH関連作品紹介 5 The Stranglers and Friends "Live in Concert" |
1. Introduction ・Jet Black
2. (Get A) Grip (On Yourself)
・With Hazel O'connor & Robert Smith
3. Hanging Around
- With Hazel O'connor & Robert Smith
*4. Tank
・With Robert Fripp & Peter Hammil
5. Threatened - With Robert Fripp
6. Toiler On The Sea
・With Robert Fripp & Phil Daniels
*7. The Raven
・With Basil Gabbidon & Peter Hammil
8. Dead Loss Angeles ・With Phil Daniels & Wilko Johnson
9. Nice'n'Sleazy ・With Basil Gabbidon, Nicky Tesco & Nik Turner
10. Bring On The Nubiles ・With Richard Jobson & Wilko Johnson
11. Peaches
・With Ian Drury, Wilko Johnson, Davey Payne,
John Turnball & Toyah Wilcox
12. Bear Cage
・With Ian Dury, Mathieu Hartley, Wilko Johnson,
Davey Payne & John Turnball
13. Duchess ・With Toyah Wilcox
14. No More Heros ・With Richard Jobson
15. 5 Minutes ・With Richard Johnson & Larry Wallis
16. Something Better Change ・With Steve Hillage & Toyah Wilcox
17. Down In The Sewer ・With Jake Burns, Steve Hillage & All Guests
ヒュー・コーンウェルが麻薬所持で拘置所に入れられたとき、ストラングラーズはロンドンでの公演の契約を二晩分抱えていた。マネジメント側はこれをキャンセルすることを避け、つながりのあるミュージシャンに呼びかけ、急遽このコンサートを「ヒュー・コーンウェルを慰めようライブ」にでっち上げた。このライブ・アルバムこそ、その記録である。時に1980年4月3日、4日、ロンドン、レインボー・シアターでの公演であった。
ヒューの担当していたギターとボーカルのパートを埋められるミュージシャンが集められ、その中にロバート・フリップや、スティーブ・ヒレッジ、トーヤ、ウィルコ・ジョンソンなどと並んでピーターがいた。このアルバムは何度となく再発され、ジャケットもタイトルも微妙に違っている。もっと困ったことに数曲の増減があることだ。私の手元にあるのは駅でよく見かけるワゴンセールで売っていたいい加減な日本盤で13トラック(12曲)しか入っておらず、しかもジャケットも全然違ういい加減なものだが、オフィシャルにバンドのサイトでも紹介されているものは上記の通り17トラックである。幸いなことに私の持っているものにもピーターがリード・ボーカルを取っている2曲が収録されているので困りはしないのだが…。(写真は共に正規盤)
1980年のこの時点では、まだジョン・エリスはストラングラーズには参加していない。バイブレーターズはこの時期解散状態にあったし、ジョンは前の年にはジャン・ジャック・バーネルのユーロバンドに参加している。同時にピーター・ガブリエルの中国でのライブにも参加している。JJバーネルとのつながりがこのライブに参加することの直接のきっかけだったのかもしれない。このライブでのフューリーの役割は参加したゲスト・ギタリスト全員にギター・パートを教えるというものだった。その後フューリーはストラングラーズのツアーにおけるセカンド・ギタリストとして活動を共にしている。ジョンがこのときすでにピーターのレコーディングに参加することになっていたのかどうかはよく分からない。しかし、ほぼ同時期にピーターとの活動も行っており、彼のパンクな音楽性がピーターにとっても刺激になったことは想像に難くない。
ピーターが歌っているのは2曲、「タンク」ではフリップのギターとの絡みが面白いし、「ザ・レイヴン」はピーターらしい歌い方だ。ともにアップテンポでパンキッシュであり、こういった失踪するギター・バンドのサウンドはピーターにも面白かったに違いない。シンセの電子音が少々耳に付くのは時代のせいか、録音のクオリティの問題か、いずれにせよめったに聴けないピーターであることに間違いはない。Kグループへと向かう刺激をここで受けたとしても不思議ではない。フリップとの絡みが聴ける「タンク」の方が個人的には好きである。
by BLOG Master 宮崎