"Live at Rockpalast - Hamburg 1981" Peter Hammill & the K Group |
"Live at Rockpalast - Hamburg 1981" Peter Hammill & the K Group
Disc 1:CD-1
1. The Future Now
2. Losing Faith In Words
3. Stranger Still
4. Sign
5. My Experience
6. Modern
7. The Second Hand
8. Sitting Targets
9. The Sphinx In The Face
Disc 2:CD-2
1. Flight
2. Central Hotel
3. The Spirit
4. Door
5. My Room
Disc 3:DVD
1. The Future Now
2. Losing Faith In Words
3. Stranger Still
4. Sign
5. My Experience
6. Modern
7. The Second Hand
8. Sitting Targets
9. The Sphinx In The Face
10. Flight
11. Central Hotel
12. The Spirit
13. Door
14. My Room
At Last!!
ピーターなら、こう言うかもしれないと思っていたら、それ以上の表現でしたね。
"At long, long last"
そうです。ファン待望の映像がついに公式発売されます。
1981年、アルバム「シッティング・ターゲッツ」発売後のツアーから、11月26日に行われたハンブルグのマルクトハレ(Markthalle=会場名)公演をフルに収録した作品です。オリジナルはドイツのテレビ局WDRの音楽番組「ロックパラスト」で放送するために収録され、冒頭にメンバーの略歴などの解説が加えられた形で、しかもアンコールの「マイ・ルーム」ほか何曲かがカットされた50分ほどの短縮版で放送されました。
最初の内は、この50分版しか知られていませんでしたが、90年代に衛星放送向けの番組「ロックパラスト・クラシックス」において、およそ1時間40分ほどの完全版が放送されたことで、そのパッケージソフト化に対する要望が強く出てくるようになりました。こちらでは、冒頭の紹介部分がカットされています。また、実際のコンサート冒頭に登場した番組のプロデューサーによるオープニングの挨拶が入っていました。そこでは「Peter Hammill and his band!」と紹介されていて、まだKグループの名前がついていなかったことが窺い知れます。今回のパッケージでこの部分がどうなっているのか、とても楽しみです。
バンドは、ガイ・エヴァンス、ニック・ポッターのVdG組に、パンク・バンドのヴァイブレーターズのジョン・エリスがギター&バッキング・コーラスで参加。タイトな4人組バンドの体裁をとっています。ピーターは後に、このグループのことを、自分が持っていた「ビートグループ/ビートバンド」のイメージに一番近いものだったと言っています。これは、ジョン・エリスの参加が大きく影響しているのかもしれませんが、ピーターとジョンの出会いは、1980年。ストラングラーズのヒュー・コーンウェルに対する支援コンサートで、ジョンが参加したゲスト・アーティストにストラングラーズの楽曲のコード進行などを教える役目を果たしていた時のようです。ちなみにジョンがストラングラーズの正式メンバーになったのは、もっともっと後の90年代になってからのことです。
もともとは、「シッティング・ターゲッツ」が仕上がった時、ピーターがツアーをやろうと考えた時、アルバムはソロ作品ではあったものの、そこにあるのは明らかにバンド・サウンドであると感じたことに端を発しています。必然的にライブを行うためにはツアー・バンドが必要だという結論になり、メンバーを集めたようです。
当時、ガイ・エヴァンスは、最も活発に音楽活動を行っていた時期であり、ソロ作品として「The Long Hello Volume Four」では、当時正式メンバーとして参加していた、地元の音楽仲間であったジャイルズ・ぺリングのバンド「ライフ・オブ・ライリー」を全面的に採用していますが、バンドのライブではオリジナル楽曲以外にトーキング・ヘッズのカバーなども演奏していたバリバリのニューウェーブを叩いていたり、ジリ・スマイスとディディエ・マレェブ、ハリー・ウィリアムソンを中心としたマザー・ゴングでグラストンベリー・フェアに出演し、そのままスタジオでアルバム「ロボット・ウーマン」1,2を録音したりしていますし、こういう活動の中で出会った仲間とライフワークとなるエコー・シティを始めたりしています。これら、一見脈絡のない音楽性を持った活動がガイの豊かな音楽性をさらに拡大させ、それらがKグループにも反映されていると私は思っています。
ニック・ポッターもまた、1980年にガイと一緒に「永礼再販(The Long Hello Volume Two)」を録音しており、他方The Tigersでの活動も行っています。ニックは、ベース・ギターでの新しい音作りにも取り組んでおり、バンドでの彼の音は非常にユニークなものになっています。これはぜひ今回の映像で確認してみてください。
バンドならではの音の持つタイトさと迫力は、VdGGとはまた異なった魅力を持っています。ジョン・エリスがいるから、だけでは説明がつかないほどのパンクな演奏は、元祖パンク・ロッカーでもあるリッキー・ネイディアここにあり、という感じで、とても痛快です。
もちろん、私たちはすでにライブ・アルバム「ザ・マージン+」でこのグループのライブは知っているわけですが、それは、活動後半の音。ここではまだ「エンターK」が録音されるよりも前のライブということで、演奏されている楽曲は「ア・ブラック・ボックス」「シッティング・ターゲッツ」中心の、ある意味貴重なものだと言えます。「スフィンクス」や「ドアー」をやっているから、というだけではなく、本当はVdGの時にもこういうのがやりたかったのではないかとふと思ってしまいました。ある意味VdGの転生したようなメンバーですし。
発売は8月末ごろ。すでに各所で先行オーダーを受け付けているようです。なお、トールケースに収められたDVD1枚ものと、DVD+2CDのCDサイズケース版の2種類があるようですのでご注意ください。
ロックパラストという番組自体は、1974年から今に至るまで続く長寿番組で、数多くのアーティストのライブを放送しています。それこそ数えきれないほど。近年、かなりの公演がパッケージ化されているようです。
by BLOG Master 宮崎