"Consequences" リリース文 |
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「コンシークェンシズ」は、ピーターの、オリジナル楽曲による30作目となるソロ・スタジオ・アルバムである。10曲のピリピリと張りつめた新しい楽曲は、形態(フォーム)の境界(ボーダー)を引き延ばすものだ。いくつかの楽曲は言葉に満ち溢れている(wordy)か、あるいは、言葉 - そして、ミスコミュニケーションや、聞き間違い、誤解についてのものである。別の角(another corner)を回ると、生活と行動は、耳をそばだてられ、監視され、登場人物たちは、付きまとわれ、驚かされる。時々、これらの楽曲は、短編小説や映画の領域にさまよい込んでいく - 枠縁(フレーム)のほんのすぐ外側で、見える範囲のすぐ向こう側で、何かが起きているのだ。それらは、歌ものの基準から離れてはいるけれども、強力な物語の織り糸がそれぞれのレコーディングの中心を貫いて走っているのだ。
器楽構成は、エレクトリック・ギターと様々なピアノに中心をおいている。パーカッションはまばらである。時折ふと挟まれる、その他の楽器による間投詞は、音的な絵を拡張するというよりは、色合いを強調するものである。全ての歌の中心となっているものは、厳然たるヴォーカルのリード、バッキング、そして和声の役割におけるパフォーマンスである。もう一度、すべてのものは、完全に一人で、書かれ、演奏され、歌われ、そして録音された。「コンシークェンシズ」はピーターの全作品に対する重要な追加である。
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ピーターのこだわりが良く表れている文章だと思いますが、今回のテーマは言葉やコミュニケーションといったところでしょうか。しかも、基本的には、それらにおける「誤った理解」や「それ(言葉に起因する誤解)によって引き起こされる悲劇」と言ったものが言及されているように感じました。
ちなみに先日の来日公演で演奏された5つの楽曲がピアノ曲だというのは皆さんご存知の通りですが、残り5曲について、もしライブで演奏されるならどちらだろうか?という観点を念頭に置いて聴いてみると、1.3.4.6.8はいずれもギター曲だと思われます。が、しかし、ここでリリース文に注目してみると、今回の作品では、器楽構成の中心にあるのは、「エレクトリック・ギター」と態々書いてあるように、一部を除きアコースティック・ギターではなくエレクトリック・ギターが力強く流れているものが目を引きます(というか耳を惹きつけます)。中でも8.の終盤のギターには驚かされました。
これまでの所、朝夕の通勤時に1回ずつ毎日聴いてみてますが、最初の印象から、徐々に、その奥深さに驚かされていくような状態です。まるで宇宙の闇の中を覗き込んでいるような、そんな背筋がゾクゾクっとくる音楽とでも言えば良いでしょうか。
ドラマチックな展開や派手なアレンジではないので、最初地味に感じるかもしれませんが、この作品はたしかに、ピーターの書いているように、非常に強力な一枚です。
by BLOG master 宮崎