Peter Hammill Episode from Japan n.4 |
アルバム『ザ・サイレント・コーナー・アンド・ジ・エンプティ・ステージ』に収録されている『レッド・シフト』という曲を覚えているだろうか、その中で印象的なファズのかかったロングサステインのギター(まるでロバート・フリップのような音色だ!)を弾いているアメリカ人ギタリストのランディ・カリフォルニアを知っている人はいるだろうか。私はこの曲でしか知らなかった。
ピーターと一緒に飲んでいた時のこと、ピーターが、SPIRITというバンドが好きだという話になった。初めて聞く名前だったので、どんなバンドなのかと尋ねると、そこでランディ・カリフォルニアの名前が出てきたのだ。そのランディがいたバンドがスピリット(SPIRIT)だという。
スピリットは、アメリカのバンドで、ヨーロッパでも活動していたのだそうだ。ランディは『レッド・シフト』でギターを弾いているが、どうして知り合ったのか?と質問すると、いや、実は長い歴史があるのだという。昔、ピーターの彼女とランディの彼女が云々というのだ。そういうわけで自然と知り合いになり交友が始まったのだという。ちなみにランディの昔の彼女はジャッジ・スミスとも付き合いがあったとかなかったとか。詳しいことは話してくれなかったが複雑な交友関係だったらしい。
そのランディが中心となったバンドがスピリットなのだが、ランディの継父がドラマーをしていたという。この二人が中心となって、家族、親戚、近所の知人・友人によってバンドは構成されていたという。スピリットは1968年に出ヴュー・アルバムを発表して以来、ランディがなくなるまでの間に26枚のアルバムを発表している。その中で、ピーターのお奨めは3枚。『The Family That Plays Together』『CLEAR』『Future Games』という作品だ。これもまた聴いてみたい。ピーター曰く、ランディのギターは音的にはロバート・フリップと似ているが、ロバートのギターが徹頭徹尾コントロールされているのとは対照的にまったくコントロールされていない。カオスのような、そこがまたいいのだそうだ。
・マーク・アーモンド(MARC ALMOND)
今回見に来られた方の中に、ピーター・ハミルの音楽との出会いがマーク・アーモンドのカバー今日だった、という方がいらっしゃいました。そこで、ピーターに質問。マーク・アーモンドにあったことはあるか?>YES。彼はいいやつだ。彼がカバーしているのは2曲だけか?>YES。『Vision』と『Just Good Friends』だけだ。彼のバージョンの『Vision』はものすごく良い。『Just Good Friends』は自分のバージョンとあまり変わらないので、自分にとっては面白みに欠けるところがある。のだそうです。私はマーク・アーモンドのカバーしたバージョンは聴いたことがなかったが、ちょっと探してみよう。なるほど、ね。
by BLOG Master 宮崎
名義のアルバム"Torment and Toreros"('83)に収録されています。
全編スパニッシュテイストに溢れた2枚組の大作で、時に火を吹く
ほどに情熱的で、時にシュールで甘美な悪夢を垣間見させてくれる、
死とエロスと血の匂いに満ち溢れたような、なかなか壮絶なアルバム
です。
『Vision』はアナログLPでは2枚目C面ラストのメドレー(3曲)の
末尾を締める重要な位置を与えられており、ダミアの「暗い日曜日」
(!)の気だるいカバーに続いて、教会の礼拝を思わせるオルガンの音
とシロフォンの可憐な響きに導かれて切々と歌い上げています。後半
には弦楽の調べと管楽器も加わって、ほとんど天国の"Vision"を思わ
せる絶品の仕上がり。原曲に最大限の敬意を払った上でのカバーであ
ることが良くわかります。
も全アルバムを聞いた訳ではありませんが、彼のキャリアの中でもこ
の作品をベストに推す人は多いようですね。濃厚な世界に胸焼けしそ
うになりますが、確かにこれは傑作です。
今は亡き北村昌士氏が、かつて「ミシェル・レリスの『闘牛鑑』とジ
ョルジュ・バタイユの『眼球譚』の世界観を併せ持った傑作」といっ
たような表現で今作を絶賛していたことを思い出しました。
ジャック・ブレルの"The Bulls"、スコット・ウォーカー(ex.ウォー
カー・ブラザーズ)の"In My Room"(孤独の太陽)のカバーも収録。
機会があれば是非どうぞ!
が収録されているのは、マーク・アーモンドのソロ名義でのアルバム
"A Woman's Story"('86)です。これは30分程度のミニアルバムで、
プロコル・ハルムの"Salty Dog"もカバーしています。CDは別のミニ
アルバムとのカップリングで出ているみたいですね。