Peter Hammill 日本公演五日目 最終日 新宿 「Pit-inn」 10月29日 |
Peter HammillJapan tour Day 5, the Last Day
Live atPit-inn, Shinjuku, Tokyo
29th Oct. 2017,Sun.
1. Nothing Comes
2. Empire of Delight
3. Milked
4. Gone Ahead
5. Bravest Face
6. Slender Threads
7. Ship of Fools
8. Out of My Book
9. Girl to the North Country * World Premier
10. Sign
11. Once You Called Me
12. Happy Hour
13. The Lie
14. Time to Burn
15. Unrehearsed
16. The Descent
17. In the End
<encore>
18. After theShow
大変な一日でした。台風の急接近による大荒れの天気。昼間の歌詞イヴェントではまだ「激しい雨」程度でしたが、開場時間の頃には雨も風も大変な勢いとなり、まさしく嵐でした。幸いなことに、公演が終了したときには既に台風は通過してしまっており、雨も風も病んでいました。
今日のセットは、大変に奇妙なものとなりました。通常はオープニングには持ってこない曲だとピーターも言っていましたが「Nothing Comes」で幕を開けたのです。そして、昨年亡くなった友人と一緒に作った曲だと言って「Empire of Delight」。友人というのはもちろんキース・エマーソンのことです。「今日は新作から3曲やる」と言って今回初の2回目の演奏となる「Milked」。これがまた味わいが増していました。そのままメドレー的に「GoneAhead」に繋げると、これがまた当然の流れと言わんばかりの自然な繋がりを見せてくれました。そして前半のピアノセットは「Bravest Face」で締めます。
ギターセットに入っての一曲目も、これまた意表をついて「Slender Threads」ワオ!と思っていると、続いてもっとワオ! 「Shipof Fools」です。何と激しい演奏に会場も熱く反応します。するとまるで「Calm down」とでも言いたげに「Out of My Book」です。この古い曲は私のお気に入りでもあり、とても嬉しかったのですが、それに続いて、もしかしたらこの曲はイタリア・ツアーでのワールド・プレミア用に日本では演奏しないのではないか、と思っていた「Girl to the North Country」を演奏したのです。これで、新作「Fromthe Trees」に収録された全10曲のすべてが演奏されたことになります。何と言う快挙!
「Sign」はこれまで聞いたことがないアレンジで、大好きな曲だけに思いっきり興奮してしまいました。そして穏やかな「Once You Called Me」。これもまた昨年とは違う雰囲気での演奏です。ギター・セットの最後には「Happy Hour」これもまた新鮮に感じられる変化のある演奏です。
後半のピアノ・セットに入り、一曲目はなんと「The Lie」。ピアノの弦が切れたかと面打ったほど激しいイントロから、一気に盛り上がります。その熱を維持しつつ「Time to Burn」へと。さらに「Unrehearsed」での疾走感ある演奏は鳥肌ものです。そして、新作からの3曲目は「The Descent」アルバムのラストを飾るだけに圧巻です。でもそれ以上に圧倒的なパワーで演奏されたのが「In the End」。え~?これで17曲目だよ、アンコールやらないつもりか?という心配をよそに熱い演奏を披露し、にこやかにステージを去っていきました。
アンコールは、多くの観客がアカペラ「Again」を期待していたようですが、ここでも意表をついて「After the Show」です。そしてこの「After the Show」のエンディングがとんでもなかった。「After theshow....」とゆっくりと繰り返しながら、ピアノの演奏を止め、立ち上がり、歩き出し、ゆっくりと歌いながらステージを降り、楽屋の前まで行き、とてもゆっくりと最後の「After the Show....」を歌って、深々とお辞儀をして、楽屋の中へと消えてゆきました。こんな終わり方、見たことありません。
おそらくは、昼間の歌詞イヴェントでの質疑応答の内容が影響したのではないか、というのが参加者の多くが感じたことです。「普通でない事」についての議論があったのでした。
ライブ終了後、食事の際にピーターが驚くべきことを明かしてくれました。それは、「Out of My Book」の少女と、「Girl to the NorthCountry」の少女は同一人物のことだと言うのです。その少女は実際にはもう10年も前に亡くなったということですが、敢えてこの2曲を並べて演奏したのには、そういう背景があったのです。なんという背景でしょう。
ピーターの68歳での最後のツアーがこれで終了しました。次は、69歳での最初のツアーとなるイタリア公演です。果たして、どんなセットを見せてくれるのでしょうか。現地からのレポートに期待しましょう。
五日間の日本公演に参加してくださった皆さん、どうもありがとうございました。
By BLOG Master 宮崎