PH関連作品紹介 4 "Live in Japan" PFM |
Disc One
*1.Sea of Memory
2.Bandiera Bianca
3.Carrozza Di Hans
4.Rain Birth (Intro to the River)
5.River of Life
6.Photos of Ghosts
7.Peninsula
8.Out of the Roundabout
9.Rivoluzione
10.Suonare Suonare
11.Promenade the Puzzle
12.Tokyo Piano Solo
13.Dove...Quando (Pt. 2)
14.Dove...Quando
Disc Two
1.Banchetto
2.Dolcissima Maria
3.Maestro Della Voce
4.Si Puo Fare
5.Mr 9 Till 5
6.Scary Light
7.Tokyo Electric Guitar Jam/Altaloma 5 Till 9
8.Tokyo Violin Jam (Pt. 1)
9.Rossini's William Tell Overture
10.Tokyo Violin Jam (Pt. 2)
11.Impressioni Di Settembre
12.E Festa (Celebration)
13.Luna Nuova (Four Holes in the Ground)
いまさら言うまでもないことだが、このアルバムへの参加は「いくつもの偶然と幸運が重なっておきた」ことであり、それがいったいいかなるものであったのかはピーターは語っていないし、PFM側も特段語ってはいない。それでも、それがファンにとってはうれしいプレゼントであったことには違いないだろう。たとえPFMのアルバムはそれほど持っていない私ですら、この組み合わせをして「バンドで歌うピーター」こそがやはり理想的な姿なのだ、と思わしめたのである。
タイトルは紛らわしい。このアルバムは基本的にはPFMの来日公演の記録であり、ディスク1の3曲目以降、ディスク2のお終いまですべて来日公演の中からの収録である。では、ピーターがその公演に同行したのか?答えは否、である。そう、ピーターが参加しているのは、ボーナス・トラックとしてスタジオ録音された1曲目「Sea of Memory」なのである。およそ6分45秒のなかなかの大作であるこの曲で、ピーターは強力なバンドの演奏をバックに力強く伸び伸びと歌っている。イタリアらしいメロディアスなボーカル・ラインもピーターの歌を十分に活かしたものであり、フランコ・ムッシーダのギターとの絡みも気持ちよい。ドラマチックな展開はシンフォニックな響きを持ちつつも、バンドのタイトなリズム隊チッチョとジャヴァスのおかげで引き締まったものとなっている。プレモリの弾くピアノもリリカルで、ストリングス系のシンセも程よく抑えてあり、この曲を素晴らしいものとしている。
注意しなければならないのは、この「Sea of Memory」を含む2曲のボーナス・トラックは日本盤には収録されていない、ということだ。日本盤は、残念なことにタイトルどおりライブ録音のみに限定されてしまっているのだ。ジャケットも同じなので、中古盤などで購入する時には必ずバック・カバーの曲目をチェックすることをお奨めする。ディスク1に「Sea of Memory」が入っていればOKだ。もし「Carrozza Di Hans(ハンスの馬車)」が1曲目に来ていたらそこにはピーターの歌ったこの曲は収録されていないことになる。また、ディスク2の1,2曲目がディスク1のおしりに入っているので、ディスク単位での曲の区切り方も異なっている。
ちなみに、私もPFMのこのときの来日公演の初日を見たのだが、絶対に、圧倒的に実際のライブの方がよかった。音のバランスのせいなのか、それとも音量のせいなのか、CDになったそれはまったくと言って良いほどダイナミズムが薄まっている。本物はもっと凄かったと言い添えておく。
by BLOG Master 宮崎