ひとやすみ 最近のつぶやき:Peter on Twitter, September 2017 |
さて、一通り、過去の日本公演での演奏曲をおさらいしてきましたが、ここで一息。
今月頭に訃報が流れたスティーリー・ダンのウォルター・ベッカーの訃報を受けて、ピーターがツイッターで呟いています。英国のピーターと同年代のジャーナリストであるリチャード・ウィリアムスに対するコメントという形です。
Richard Williams@rwilliams1947
A note on the death of Walter Becker of #SteelyDan at the age of 67:thebluemoment.com
Peter Hammill @Sofa_sound - 2017年9月4日
Nice pic too Richard, Anton Corbijn I belive. As for The Dan, topstuff of course. The r scam remains(one of) the perfect pop songs for me.
そして、すぐに補足する形で、
Peter Hammill @Sofa_sound - 2017年9月5日
Spirit and the Dan, my two favourite US groups back in the day.
それに対して、スイスのリチャード・リー・ジョーンズが面白い説を披露。
Richard Rees Jones @viennesewaltzer
You can get from VdGG to the Dan in five steps, going via Gong,Harry Williamson, Sting, Clapton and Jeff Baxter.
それに対して、ピーターがもっと短いステップで行けると応えています。
Or, now, me > Randy (on Red Shift) > Walter.
ランディ・カリフォルニアを介すると、すぐにウォルター・ベッカーに繋がると。さらに続けて、
Peter Hammill@Sofa_sound
or, indeed, me (shot by) > Anton Corbijn (shot) > SD
そして、元の流れに戻ってこのように続けています。
Peter Hammill @Sofa_sound - 2017年9月5日
The Dan Only Connect 1: I didn't know till today that RandyCalifornia taught Walter Becker his first gtr licks...
ランディ・カリフォルニアがスティーリー・ダンの故ウォルター・ベッカーに最初のギターの手解きをした? ピーターも知らなかったようですね。さらに続きます。
Peter Hammill @Sofa_sound - 2017年9月5日
2. Nor did I know that the first tune Donald Fagen picked out onpiano was "Exodus". Me too.
Peter Hammill @Sofa_sound - 2017年9月5日
ps I quote the "Exodus" theme at the end of"Lighthouse-Keepers" on VdGG's live "Merlin Atmos". Thepart titled "We Go Now" of course....
驚きました。ピーターが最初に弾いてみたポピュラーミュージックが、ドナルド・フェイゲンのそれと同じ「エクソダス」だというのです。これって、ボブ・マーリーの曲のことでしょうか? ワオ!です。
しかも、「エクソダス」のテーマが、アルバム「マーリン・アトムス」に収録さているライブ・バージョンの「ライトハウスキーパーズ」の最後の部分で引用されている!しかもそれは「もちろん」「We Go Now」の部分であると!! もう一回じっくり聴き直さなければ!!
And finally I should say that "A Kick to Kill the Kiss" on"The Noise" was my own (ham-fisted as ever) hommage to the Dan. RIPWB.
そして、最後にと前置きをして、ピーターが言っているのは「ザ・ノイズ」収録の「A Kick to Kill the Kiss」がピーターなりのスティーリー・ダンへのオマージュなのだそうです。これもまた驚きです。そして最後は、ウォルター・ベッカーよ安らかに眠れと結んでいます。
さて、このほかにもいくつかツイートに反応しています。
まずは、これ。デヴィッド・クロウハーストを取り上げた「The Strange Last Voyage of Donald Crowhurst」という本についてのツイートにコメントしています。
Kavus Torabi @Knifeworld 2007年9月6日
Having recently seen Deep Water, I'm on a real Crowhurst 'jag'.Currently halfway through this excellent book.
Peter Hammill @Sofa_sound · 9月6日
DC was the subject - well, the starting point at least - of"The Mercy" on my "Thin Air" of a few years back. You atProg next week?
写真を見てもらうと分かりますが、この本、どうやら「The Mercy」というタイトルで映画化されているようです。この人物が2009年のアルバム「Thin Air」に収録されている「The Mercy」という曲の主題、あるいは、少なくとも出発点であったと言っている訳ですね。この本ちょっと読んでみたくなりました。あるいはこの映画、見ることができるのでしょうか? 最後にピーターが問いかけてますが、「来週のプログには来るのかい?」と。これは年に一度のProg Awardのことを指しており、ピーターも行ったようです。今年は昨年のVdGGのアルバム「Do Not Disturb」がノミネートされていましたが実際に受賞はされなかったようです。
そのProg Awardの会場では、「Peter Hammill」という楽曲を作り発表しているLuke Hainesと会話したようで、
luke haines@LukeHaines_News 9月15日
Fantastic night at the Progs spent chattingcricket and rock n roll to the lovely charming Peter Hammill @Sofa_sound andArthur Brown.
ピーターとアーサー・ブラウンと会場でクリケットとロックンロールの話で盛り上がったようですね。ピーターも答えて曰く、
Peter Hammill@Sofa_sound - 2017年9月16日
Yes, an excellent evening. Pretty restrained onthe rant front as well!
おしゃべりが楽しくて、表彰式の喧騒からは、かなり距離を置いていた?ということでしょうか。
こんなつぶやきもありました。Progマガジンの編集者に対してのようです。
Jö Kendall @jothekendall 9月15日
Gah! I can help with that if I'm about. Imanaged to be a fixer for people who wanted to meet @Sofa_sound for most of theevening!
Peter Hammill @Sofa_sound - 2017年9月16日
hoho...and thanks!
いずれにせよ、大変楽しい夕べだったようです。
さて、上記以外の話題では、とあるファンと思しき人物から、VdGGのアルバムジャケットをデザインしたTシャツの販売サイトを示されて、「これはちゃんと承認されてないものですよね?」と訊かれて、「ありがとう!」と答えています。現在、その販売サイトは「コンテンツの問題で販売はキャンセルされた」となっているようです。ちゃんとクレームしたのかもしれません。
最後にもう一つ(One more thing)。先日、井上鑑の新作アルバム発表前、64歳の誕生日ライブ3デイズというのが都内で開催されたのですが、そのステージに元ランダム・ホールド、現ピーター・ゲイブリエル・バンド、現ケイト・ブッシュ・バンドとしても活躍中のデヴィッド・ローズ(David Rhodes)が参加していました(ケイト・ブッシュ・バンドで共演したベーシストのジョン・ギブリンも一緒です)。私は、デヴィッドの井上鑑とのデュオ・アルバム2作(「Head, Hands and Feet」「Snow Flake」)が好きで、ライブが行われるときは、できるだけ見に行っていたのですが、今回、初めてご本人とお会いして話をすることができました。その時の写真をツイッターで上げたのですが、デヴィッドがピーターのことを「長年の友人だ」として「ピーターにくれぐれもよろしく伝えてくれ」と言っていたことを呟いたところ、ピーターがコメントを返してくれたのでした。とってもシンプルに。
Peter Hammill @Sofa_sound - 2017年9月12日
Greetings to you both!
デヴィッド・ローズは、ご存知の方も多いと思いますが、1979年ごろから1980年にかけて、ピーターのプロデュースでアルバムを制作、発売したバンドであるRandom Holdの創設メンバーの一人です。このランダム・ホールドはキーボードのデヴィッド・ファーガソンとデヴィッド・ローズの二人が作ったバンドですが、そこにマッチング・モールや、クワイエット・サン、801などに在籍したベーシストのビル・マコーミックが参加した、どちらかというとニュー・ウィブ系のバンドでした。時期的にKグループ結成直前ということも考えると、ピーターがこのランダム・ホールドの音から刺激を受けたことは考えられます。
ピーターがプロデュースしたデビュー・アルバムは、色々な状況的制約から「エトセトラヴィル(Etceteraville)」と「View From Here」という分散する形でリリースされています(一部曲がダブっています)。また、5曲入りの12インチ・シングル(あるいはミニ・アルバム)扱いで「Random Hold」というものもあって分かりづらいです。翌1981年には、これらすべてを網羅する形で2枚組の「Avalanche」というアルバムが出されています。いずれも中古盤LPとしては比較的安価で流通しているかと思います。(以下のジャケットは「エトセトラヴィル」)
現在はこれらが幾分整理された形でCD化されており、デヴィッド・ローズが抜けた後のアルバム「Burn theBuildings」やその後のデヴィッド・ファーガソンの個人的なランダム・ホールド・プロジェクト関連の録音も含めてすべて聞くことが出来ますが、ピーターがプロデュースしたものだけで良い、という方には2枚組CD「View From Here」がお奨めです。
「Avalanche」全曲とピーター・ゲイブリエルのツアー前座での公演からPGの紹介付きライブ8曲にアウトテイク1曲。これがピーターが惚れたバンドだったのだなぁ、という感慨とともに聴いてみてください。ちなみにこれに収録されているライブでの演奏でデヴィッド・ローズはピーター・ゲイブリエルによって引き抜かれることになります。
デヴィッド・ローズの初ソロ・アルバムとして発表された「Bittersweet」(2009)には、ピーターがバッキング・ヴォーカルとして参加していますが、他にもデヴィッド・ファーガソンが制作したいくつかのレコーディングで二人は共演しています。当初、B&Rの有料会員向けダウンロード販売のみでしたが、その後2011年に通常CDでの販売が行われ、2014年には違うレーベルから再発されているようです。再発盤はジャケットが若干異なるようです。
デヴィッドは、その後The David Rhodes Trio 名義でのセカンド・アルバム 「Rhodes」をクラウド・ファンディングで制作、発売しています(シンプルな紙ジャケ)が、そちらにはピーターは参加していません。こちらもその後、「The David Rhodes Band」とタイトルを改めて、「Bittersweet」と同様に通常CDがGlassVille Recordsというレーベルから発売されています。前作からキーボードを排してギター・トリオに徹したソリッドで素晴らしい作品に仕上がっています。
by BLOG Master 宮崎
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