2017来日公演予習18;Songs Played 19 Time |
いよいよラストです。これまでに日本で19回演奏してくれた曲です。
"Stranger Still" - 「Sitting Targets」(1981)
ついに来ました!この名曲。もはや言葉は要らない、の世界です。アルバム「SittingTargets」は「Patience」と並び、ライブで取り上げられる楽曲が多いことで知られています。その中でも最も数多く演奏されてきたのがこの曲です。
この曲は、個人的に思い入れが強い曲で、歌詞も曲構成やメロディ、リズム、様々な点でAllTime Bestの一つになっています(ちなみに、この曲と双璧をなすと思っているのは「Flight」です)。1980年のスタジオ・テイク(「Sitting Targets」収録)は、どちらかというと端正で、最後のバックのコーラスが前面に出てくるところまで緻密に構成されています。1983年のライブを収録したKグループの「The Margin」でのバージョンでは、ジョン・エリスのギターが加わり、よりソリッドで硬質な演奏を聴くことが出来ますし、ソロ・バージョンについては、「Typical」と「PNO GTR VOX」とを聴くことで1992年と2010年のパフォーマンスの違いを楽しむことが出来ます。
また、静かなイントロから大きなうねりを創り出す中盤、そして絶叫に近い終盤とエンディング。このパターンを長いこと続けてきたある年、日本で、偶然に、絶叫する終盤部分を静かに歌ったことがありました。そして、ピーターはそれを大変面白く思い、それ以降、時々静かなバージョンを披露するようになったのです。
元々コーラスパートとして作られた「A Stranger, A WorldlyMan」の繰り返しをライブに於いては、メイン・ボーカル以上に強烈に歌い上げるというのは、同じパターンでありつつも最後はメインのメロディラインに戻る「If I Could」とも異なり、むしろこれこそがこの歌の真髄だとでも言わんばかりに叩きつけてくるのが聴き手のカタルシスとなって、強烈な音楽体験となっています。
VdG解散以降、Kグループに至る一連のソロ・アルバムの流れの中で、ライブでの採用曲数にこそ波がありますが、「Patient」と並び5曲のライブ定番曲化を誇る「Sitting Targets」は、個人的にも大のお気に入りなのは言うまでもありません。
あ、ちなみに、私は「エントロピー」という言葉をSF以外で聞いたのは、この曲が初めてでした。
by BLOG Master 宮崎
Peter Hammill 日本公演2017まで、あと39日