Peter Hammill's Journal August issue "Back in the Office" |
Back in the Office
「オフィスへ戻ってきて」
Posted: August 31, 2013 | Author: sofasound | Filed under: Uncategorized |Comments
ほんの8週間前だ、しかし、もちろん、それは一生分も前のことのように思える。私たちが最新のVdGGツアーを纏め上げたのは。てんやわんやの大騒ぎだった。口座と未払いの契約を整理することに2週間かそこいらを費やすというのが、私の身の上に降りかかってきたことだ。改めて言うが、私たちはこの側面については、なんとかOKとなった - 私たちの合弁企業の性質とその根底にある多くのプラットフォームに渡る信頼の継続的な増大を考慮すると - それは、穏やかな驚きの、しかしまた、ものすごい満足感の源のままでありつづけている。正しいことをしなさい。そうすれば、あなたは正しいことを行われるだろう。当然だが、関わった誰もが続けている、水面下でのきわめて膨大な量の足掻きがある。だが、もう一度、私たちはそこに至ったのだ。
私自身の足掻きについて言えば、様々な細かいことが、7月の残りの大部分をとってしまった。現役の作家/音楽家であることの真実は、いつも、そのビジネスが世話を焼かれなければならず、そして、私の観点において、それはいつも正しく、適切であらねばならないというものだ。“私は自分の芸術に興味があるだけだ”というのは、その芸術が、遅かれ、というよりはむしろすぐにすたれていくという行く末を伴ったモットーである。そして/あるいは、そのアーティストが、普通の生活というのがたとえ何であれ、その中において、正常性として通用するものを何であれ失ってしまうという行く末を…。
トリック - 「もし」それがトリックだとして - は、人がビジネスをやろうとする時、そしてまた、芸術を行おうとする時については、絶対的に明らかであるべきだ。もし、それらがお互いに別々にされ続けていたら、両方ともうまくやっていくことができなければならない。私は、長年に渡って、進み続けるために、ボールから目を離さずにし続けるようにしてきたことは明らかだし、そのことにおいてなんの恥じるところもないということもまた明らかであると願っている。どのような出来事においても、私は、7月の足掻きの結果を後日に託すことになるだろう。
8月がやってきて - びっくりしたまえ - 私はホリディに出かけたのだ。いや、つまり、私は本当に数週間ほどストップしたのだ。インターネットなし、郵便なし、まったく仕事なし。そして、古風な人間にとって、北ノーフォーク以上により単純な時間に隠遁するのにいい場所があるだろうか? 時間/旅行の範疇においてどこからもはるかにはるかに離れて、そして、それにとってはまったくより良いところだ。(驚いた、驚いた!)私にとって、スロー・ダウンしたり、カーム・ダウン(沈静化)することは容易いことではない。しかし、今回は、何とかやり遂げたのだ。そして、インターネットの欠如は、つまり定常的にアップデートする/アップデートされる必要性の欠如は、ファンタスティックだった。時々、私はどんな場合でも、毎月、オンラインの貪欲なもう攻撃から、少なくとも1週間程度の退避をすべきなのではないかと考えることがある。おぉ、しかし、足掻きは損なわれはしないか? えぇ、私がとうとう再びそれにログオンした時、明らかになったのは、実際、まったく何一つとして緊急事態が私を待ち受けていたりはしていなかった、ということだったのだ。
そして、ダラム郡へ、アッシュズの二日間のために出かけた。(謝ったりはしないよ、もう一回言うけど、スポーツを - この惑星のほとんどの人にとって特に不可解なスポーツを - 物事に持ち込むことに対して。)へい、私たちはその場の男たちだったのさ。それで私たちは、2年前にこの試合の自分たちのチケットを買ったんだ。それらが売り出されたときにね。クリケットもダラムもどちらもがっかりするようなことはなかった。まるでね。そして、クリケットはただそんなにも素晴らしい試合だ。えぇ、いまや、とうとう、私たちは勝負に勝ったのだ!
最後に、それから、家に帰った。アッシュズは勝った(私はすべての報道された試合を見た。そしてまた - ありがとう、アダム - ローズクリケット競技場で一日過ごしたのだ。)私はあのソロ・アルバムに戻ってきた。
これは、長い、長いプロセスで、出来上がるまで、少なくともまだ数週間ほどかかる。私は未だに飛び込んで行ったり出てきたり、使われるかもしれないし、使われないかもしれない数分のパートを演奏し、それから、全体の絵をつかもうとスイッチングをしたりしている。それは、単独の飛行であり、実際、私がやり続けている様々な物事の中で、極めてはるかに、最も複雑なことなのだ。
そのために私は感謝する。素材は作業され続け、見出され、磨かれる。私はオフィスに戻ってきたのだ。
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冒頭から「水面下で(水を)掻き続けている」とは、いったいツアーの精算でなにかトラブルがあった、ということなのでしょうか。とりあえず、「何とかなった」とあるピーターの言葉を信じることにしましょう。それにしても、7月の大半をそういったビジネス上のこまごまとした業務に時間を取られていたようです。アーティストであると同時にビジネス面も見なければならないというのが、どれだけ負荷のかかることか、想像するに余りあります。
さて、8月は、お休みをたっぷりと取ったようです。北ノーフォークというとイングランド北東部でしょうか? ネットから解放された環境で思う存分リアルライフを楽しんだ模様です。そしてクリケット。Ashesというのは、以前ご紹介したツイートでも出てきたのでお分かりかと思いますが、クリケットのテストマッチ・シリーズの一つです。試合のチケットが2年前から発売されるというのは、まるでサッカーのワールドカップのようです。イギリスおよびイギリス連邦各国では非常に人気の高いスポーツですが、ルールが複雑かつ、一試合が異常に長いことから、日本ではほとんど知られていないかもしれません。
そして、ソロ・アルバム制作。今回は、かなり長くかかっています。先にご紹介したように、9月21日からの日本公演には、完成が間に合わない模様で、急遽、特選先行CDRの特別発売という異例のこととなりました。今回のジャーナルから想像するに、発売されるCDRに収録されるバージョンは、完成形ではなく、へたをすると、最終的にアルバムには収録されないかもしれないバージョン、テイク、アレンジ、ミックス、もっと言うと、その曲自体が外される、という可能性もまったくないとは言えません。
とにかく、まだこれからどのくらい手を入れるのか、全く分からない状態ですので(それゆえ、もちろん、曲によっては最終版とまったく同じバージョンという可能性もあります)、大変楽しみな手土産となることでしょう。
by BLOG Master 宮崎