Memorial; Nic Potter Discography |
Ex-exでは、氏を偲んで、あらためて彼のディスコグラフィーをご紹介しておきたいと思います。残念ながら、全部を網羅できているのかはわかりませんし、ここにご紹介したもののすべてを私も持っている訳ではありませんので、ご興味を持たれた方はネットなどで探してみてください。
ニック・ポッター ディスコグラフィー
Nic Potter Discography
<<Nic Potter's own album>>
"Mountain Music" (1983)
"Sketches In Sound" (1986)
"Self Contained" (1987)
"Dreams In View 81-87" (1988, compilation)
"The Blue Zone" (1990)
"The Blue Zone Party" (1991, limited edition cassette) live in London, 29/May/1991
"New Europe/Rainbow Colours" (1992)
"Mountain Music & Sketches in Sound" (1995, 2in1)
"Dreamworld" (1997)
"Live in Italy" (2008) with David Jackson, Tolo Marton and Tony Pagliuca
"The Blue Zone Party Dome London Live '91 " (2009) カセットから初のCD化
"All Contained" (2009) box set of 10 remastered CDs of the Zom-Art catalogue
彼自身の名義によるソロ・アルバムは全部で10枚あります。そのうち1枚は初期3作品からのベスト盤。また、1枚は2作目と3作目の2in1です。一番最後にリリースされた「ザ・ブルー・ゾーン・パーティー」は、カセットテープで限定リリースされたもののCD化です。
一時期、ほとんどのアルバムが入手困難な時期が続きましたが、2009年にニック本人によるリマスターを経てVoiceprintから再発されています。現在入手するならばそれらが一番入手しやすいでしょう。
また、それを記念して、数量限定ではありましたが、10枚全部を一つにしたボックスセットも販売されました。これはニック自身の手売り販売がほとんどでしたので、持っているのはかなり熱心なファンでしょうから、現時点では入手困難だろうと思われます。
<<Van der Graaf Generator/Van der Graaf>>
"The Least We Can Do Is Wave To Each Other" (1970)
"H to He, Who Am the Only One" (1970) (lp a-side only)
"The Quiet Zone/The Pleasure Dome" (1977)
"Vital" (1978)
VdGG前期での演奏は素晴らしく、2作目ではエレキ・ギターも披露してくれています。また、この時期のBEAT CLUB出演時の映像が、2曲も残っていることはファンにとって幸運としか言いようがありません。
VdGでは、さらに進化したベース・プレイを聞かせてくれますし、「ヴァイタル」での演奏は、是非とも生で見て見たかったなぁと思わせる特異なものです。ヒューのオルガンに代わってバンドをぐいぐいと前へと推し進めるエンジンの役割を担っていたと言えます。
<<The Long Hello>>
"The Long Hello" (1974)
"The Long Hello Volume Two - 永礼再販" (1981 Potter/Evans)
ザ・ロング・ハローのプロジェクトでは1作目ではあまり目立ちませんが、2作目はニック自身が企画をガイに持ち込んだものだけに、ほとんどニックのアルバムと言っていいほど、彼の色が強く出ています。もちろんLPでのB面はガイの曲が多くを占めているので後にエコー・シティにつながっていくような実験的な要素も見られます。CD化の際に付加された3曲のボーナス・トラックは当時入手不可能だった「ザ・ブルー・ゾーン・パーティ」からの楽曲です。また、このアルバムでは、昨年末にやはり亡くなってしまわれたホークウインドのギタリストであるヒュー・ロイド・ラントンがギターを弾いています。
<<Peter Hammill>>
"Fool's Mate" (1971)
"Chameleon in the Shadow of the Night" (1973)
"The Silent Corner and the Empty Stage" (1974)
"Enter K" (1982)
"Patience" (1983)
"The Love Songs" (1984)
"The Margin" (1985, live)
"Out of Water" (1990)
"Room Temperature" (1990, live)
"Fireships" (1992)
"The Noise" (1993)
"Offensichtlich Goldfisch" (1993)
"There Goes The Daylight" (1993, live)
"Roaring Forties" (1994)
ピーターのソロ・アルバムでのニックの参加作品はこうしてみると沢山あります。節目節目に発表された3つのライブ・アルバムにすべてニックが参加しているというのも、彼の存在がいかに重要な役割を担っていたかを物語っているように思えます。
<<Other collaborations>>
"Golden Glass" (The Misunderstood) (1969)
"Songs From Waistes Orchard" (Magna Carta) (1971)
"Out Of Nowhere" (Henry Schifter) (1971)
"The London Chuck Berry Sessions" (Chuck Berry) (1972)
"Colin Scot" (Colin Scot) (1971) - uncredited
"Epic Forest" (Rare Bird) (1972)
"Somebody's Watching" (Rare Bird) (1973)
"Savage Music" (Tigers) (1980)
"Fresh Blood" (Steve Swindells) (1980)
"Travelling Man" (Duncan Browne and Sebastian Graham-Jones) (1984)
"Final Adjustments" (The Pool Sharks) (1987, released on CD in 2010)
"Songs of Love and War" (Duncan Browne) (1995)
"Mistaken Identities" (Steve Hyams) (1997)
"Bloodlines" (Spirits Burning & Bridget Wishart) (2009)
"Rare & Unreleased Anthology 1971-2010" (Huw Lloyd-Langton) (2013)
その他の参加作品については、ガイ・エヴァンスと共にニックが17歳の時に参加したザ・ミスアンダストゥッドを皮切りに、レア・バードやマグナ・カルタはプログレ・ファンにはおなじみだと思います。意外性があるのは、チャック・ベリーやスカを演奏していたザ・タイガース、その元メンバーが集まったザ・プール・シャークでしょうか。
ダンカン・ブラウンとは友人だったようで、彼の遺作となった「ソングス・フォー・ラヴ・アンド・ウォー」では演奏だけでなく(共同)プロデュースもニックが手掛けていますし、リリースもニック自身のゾマートから行っています。自分の作品以外をリリースしているのは唯一このダンカン・ブラウンのラスト・アルバムだけです。また、それ以前にもダンカン・ブラウンが手掛けた映画のサントラ「トラヴェリング・マン」にも参加しており、プロデューサーでキーボード奏者のニック・マグナスまで含めて親交が厚かったようです。
ヒュー・ロイド・ラントンのアルバムは、彼の追悼盤として発表されたコンピレーションですが、タイトル通りニック参加の曲は1曲のみのようで、未発表のセッションだったようです。
その他の参加作品については、私は残念ながら詳細を知りません。ニックには、上記以外でも、録音物として発表されていないセッションが数多くあるようで、その中にはジェフ・ベックの新しいジェフ・ベック・グループ活動のためのリハーサルや、ビーチ・ボーイズのためのセッションなど、驚くべきものが含まれています。
2009年にソロ・アルバムを再発した際には、自らアートワークの手直し、追加もおこなうなど、絵描きとしての才能も持っていたニック。彼は、1951年10月生まれですから、まだ61歳でした。VdGGのメンバーの中で最も若いニックが(早くに亡くなったキース・エリスを除いて)誰よりも早く亡くなるとは、いったい誰が思っていたでしょうか。これで、Kグループの再現は永遠に不可能になってしまいました。
by BLOG Master 宮崎